なんで俺じゃあかんねん

「テスト終わった最初の日曜日、なんかある?」

「え?」

「教えてもらったお礼、したいねんけど。」

誘う口実は、これしか思い浮かばなかった。

「なんかおごるから、出かけへん?」

「ふ、二人で・・・?」

「うん、二人で。」

俺がこうやって誘って、葵が「二人で?」なんて聞いてきたの、はじめて。

そして、俺が答えると、こうしてちょっとうれしそうになるのも。

「なんか予定は?」

「ない。」

「じゃあ決定ね。」

そう言って背を向ける。

なにか理由をつけて断られる前に立ち去る作戦。

「ちょっと待って!」

袖をつかまれて、作戦失敗。

振り返ると、俺を見上げてなにか言いたそうな顔。

「なに?」

「それって・・・あの、二人で出かけるっていうのは・・・えと・・・。」

ん?なんや?

煮え切れんな・・・。

「つまり・・・だから、その・・・。」

「ん?」

俺は、じれったくなって葵に向き直る。

腹をくくって言おうとして、俺を見上げた。

視線が交差する。