いや、ほんまに・・・ちょっとよくわからんくなってきた。

あいつにとって、俺は弟のはずや。

やのに・・・

あの表情はなに?

それに『雅さんと付き合わんといて』ってなに?

なんか、それだけ見てたらまるで、俺のこと・・・

いやいやいやいや!!!

ない、絶対ない!!!

だって、俺ら姉弟やし。

今までの葵からそんな素振り全くなかったし。

でも、やったらなんで?

あれか?ずっと恋愛に興味ないガキやと思ってた弟が巣立っていく姉の気持ち?

それはそれで腹立つな・・・。

でもそっちのが可能性としてはあり得るかな。

だって、俺ら姉弟やもん。

姉であるあいつに、こんな感情抱いている俺がおかしい。

相手も、同じように考えてるかも、なんて

そんな可能性は0に等しい。

けど、ならあの赤面は・・・・。

「・・・あー、もう!!」

また頭の中こんがらがってきた・・・。

やめよ。

寝よ。

明日も部活やし。

その後はボウリングやし。

あ、明日部活で真田先輩と会うやん。

気まずいな・・・・。


残っている水をごくごくと飲みほす。

あ・・・
あいつ、自分のコップ洗えよな。

仕方ないので、牛乳がついたコップも一緒にキッチンへ持って行く。

「ほんまに・・・。」

出したらだしっぱなしやねんから。

俺が綺麗好きで、感謝しろよな。

ったく・・・。

そんなことを思いながら、コップを洗っていると、またさっきの葵の表情が思い出されて。

「もう・・・!!考えるのは、やめるんや!」

振り払っても、やっぱり無理で。


結局、その日の寝つきは最悪だった。