「橋を渡ってる間、ずっと川面を見てたんだ。そしたらね、川の上をきらきらが着いてくるの。私が止まったらキラキラも止まって、私が歩いたらキラキラも着いてくるでしょ」
「うんうんそれで?」
「太陽の光は、私に向かって反射してきてるの!? って、なんか最高のスポットライト浴びてる気がしたんだけどね……よく考えたら太陽って、360度同心円状に光ってるのよねぇ~」
「……」
ずず、と彼はまた一口、コーヒーを啜った。目玉だけが私に向いている。
けどなにも言ってこない。
間が持たずに、私もコーヒーを飲む。舌の上を滑って喉に落ちたコーヒーは、思った以上に苦かった。
やがて、初め訊いてきた時のように、彼はぽつりと言った。
「まあ、太陽って360度同心円状に光を放射してるからね」
「いや、だから私も今そう言いましたから」
人の話ちゃんと聞いてたのかね、彼は。
苦笑しながら、彼のカップを取り上げる。
「入れ直したげる。冷えてるでしょ」
「うんうんそれで?」
「太陽の光は、私に向かって反射してきてるの!? って、なんか最高のスポットライト浴びてる気がしたんだけどね……よく考えたら太陽って、360度同心円状に光ってるのよねぇ~」
「……」
ずず、と彼はまた一口、コーヒーを啜った。目玉だけが私に向いている。
けどなにも言ってこない。
間が持たずに、私もコーヒーを飲む。舌の上を滑って喉に落ちたコーヒーは、思った以上に苦かった。
やがて、初め訊いてきた時のように、彼はぽつりと言った。
「まあ、太陽って360度同心円状に光を放射してるからね」
「いや、だから私も今そう言いましたから」
人の話ちゃんと聞いてたのかね、彼は。
苦笑しながら、彼のカップを取り上げる。
「入れ直したげる。冷えてるでしょ」