私は少し離れた生徒会室の見えるところの
柱の陰に隠れてじーっとそのときを待つ

もう廊下には誰もいない。
静かな空間。グランドからの
かけ声や練習の音が聞こえるだけ

あぁ、この時間っていいなぁ

私一人で気を使わず、次に起こることを
わくわくしながら待ってる。


「じゃあねぇ」

一人の女が生徒会室からでてきた

「またねー」

ひらひらと適当に手を振る夏成
扉に張ってる紙をみて

「ふーん、可奈子ちゃんねぇ」

薄く笑いながらメガネをくいっとあげ、
生徒会室に帰っていく

ただそれだけ。
でもこれが大きく話を動かす気がして
ここで待っていた
その瞬間がみたくて

「おい、そこでなにしてんだ」