「今日から泊まるホテルだ。
カギは各自、しっかり管理するようにな
それと明日は自由行動だが羽目を外すなよ」
先生、話はそれだけですか。
いつも思うがこの担任はテキトーだな。
「なぁ、春雄ほんとにスイートなのか?!」
秋一がそういうと、春雄が嬉しそうにカギをちらつかせながら、
「あたりまえだろ」
そういった。
高校生の分際でスイートとかふざけんなよ。
なにが親が理事長だよ。春雄め。不良の癖して僕はスイートしか泊まったことありませんってか。生意気な
私がこんなに怒る理由はただ一つ
同室だからだ。
気を張りっぱなしとかしんどいじゃないか。
「早くカギあけろよー」
秋一が嬉しそうだ。
ーーーガチャ
「うわぁ・・・」
そこはあまりに広くて
あまりに美しい部屋でした。
「こんなとこに泊まれるの?!」
それは私も思った。
これなら何でも乗り越えられそうと
「これなら人目も気にしなくていいねぇ」
・・・夏成の一言で
なんでも乗り越えられそうと言うのは却下で。
こいつのそばにいたら身の危険を感じるよ
そんなこと言ってるあなたには
可奈子ちゃんを全力でおすすめする!
「きれーい!ひろーい!」
可奈子ちゃんは部屋を見渡し、両手を伸ばし、
とても嬉しそうだ。
「ねえ、ほんっとに同じ部屋でも大丈夫なの?
疲れない?しんどくない?」
冬紀が私を心配してくれてる
「冬紀は私のお母さんか」
久しぶりに楽しくて、わくわくする。
それはこんなステキな部屋を見たからだろうか
もしくはこの部屋で何かおこることを期待してのことだろうか
「遥花ちゃん、うれしそうだね」
「まあね、いろいろ楽しみなんだ」



