「おい」

ちょっと反省していた私に春雄が急に話しかけてきた

「なんですか?」


「・・・」


春雄はじーっと私を見つめたまま
次の言葉を発せずにいた

「・・・いや、その
お前が気にする必要はない」


どうやら陰口が聞こえていたのだろう。
彼なりのフォローをいれてくれたのだろう

「・・・ありがとうございます」

まあそれほど気にはしてませんでしたが
彼がモテる理由はこういう優しさにあるのだろう。


そのあとはずっと無言で
バスは走っていく