「じゃあ、1組から順に
飛行機の登場口にいけ」

ぞろぞろと制服を着た団体が
空港を横断する

その光景はとても異様だと思う


「ねぇ遥花ちゃん、飛行機乗ったことある?」

「何度かあるよ」

親が出張が多いからよく飛行機には乗った
今も両親は私を置いて、北海道にいる
今回は1年間だと
それは出張なのか?転勤と言わないか?

だから私は一人になれてる
家に帰っても一人
別に不幸せじゃない
家で好き勝手にできるし
親は電話も手紙もおみやげだって送ってくる
だから別にひとりぼっちじゃない
寂しいなんて感情はない

「・・・るかちゃん、
・・・遥花ちゃん!」

「なに?」

「急に黙っちゃうからどうしたのよ」

「ちょっと思いふけってた」

「変なのー
もう飛行機乗るよ!」