爆睡していたようだ
たかが数秒で完全に寝入ってしまったようだ

人の気配が近いことに違和感を感じて
少し意識が戻った。その時少しだけ目を開けたが
夏成が近いってことより、
春雄と夏成がなにかまじめな雰囲気を出してたから
寝たフリをすることにした

「ひょっとして春雄、
こいつのこと好きだったりする?」

こいつって誰のことだ?
覆い被さるようにいた夏成が示すこいつは
私のことなのかな
そうすると質問する意味がないよ
私のこと好きなわけがない


「・・・・んなわけねーだろ」


ほら、やっぱり
否定の言葉じゃないか
だから、
その気まずい雰囲気はちがうんだよ


「どうでもいいから
どいてください」

目を開けると目の前に夏成の胸があった
あまりの近さにびっくりしたが
ドキドキはしない私
女としてどうなのかと最近思うようになった

「さっきの話し聞こえてた?」

「なんのことですか?」


どうやら空港に着いたらしい


まだ旅は始まったばかり