「おい、なにしてんだ」

俺らの後ろの席の春雄と秋一が座席の上から
顔をのぞかせる

「修学旅行始まったばかりなのに
大胆だねぇ」


にやにやした秋一の顔と
なぜか怒ってる春雄の顔が
頭上にある

「ひょっとして春雄、
こいつのこと好きだったりする?」

怒ってる理由か知りたくて
不意に投げかけてみた


「・・・・んなわけねーだろ」

その間は
どういう意味だろうか

「ふーん」

そんな返事しか思いつかなかった


「どうでもいいから
離れていただけませんか」


いつのまにか、遥花ちゃんは起きていて
近いままの俺の肩をぐいぐい押していた。