「・・・バカじゃない?」
夏成の動きが止まる
急に冷めた目で見上げる私を見つめたまま
動かなくなった
「はぁ」
リラックスする為じゃない
わざとらしいため息
ブレザーの袖で唇を強くこすり
「どいて」
そういって目を合わせず、夏成の体を押す
夏成は少しふらついて私の前をあける
「ごめんね、好きって言うのは嘘なの
ちょっとからかってみただけよ」
今までの女の子たちと
同じ気持ちを味わってみろ
そういって生徒会室から立ち去る
ブラウスの前を生徒会室の入り口前で
止めていると秋一と出会った
私の姿を見て、顔を真っ赤にして走り去った
何だよ失礼なやつ
それにしても、
私、ひどく目立っちゃった。
どうしよう、これから動きにくくなってしまった。



