びっくりした。
ドッチボールしてたんじゃなかったのか

それより、ふたりっきりで会いたくない
今すぐこの場から離れたい

「なんでドッチに参加しないの?」

にこにこしながら近づいてくる
あぁ逃げたい

「どうして、何も言わないのかな?」

目の前で立ち止まる
逃げられない。どうしよう
もう遅いよ。印象に残っちゃった
自分の中で心ばかり焦って
なにも考えつかない

「あ、あの」

「ん?」

どうしよう。
何をいったら逃れられるんだろう
夏成が私の体の横に手を着いて
だんだんと迫ってくる

「どうした?」

にこにこして近づいてくる
顔と顔の距離は20cmもない

なにかいわないと

「す、すきです」