準備体操をしたあと
夏成が呼びかける

「みんなでドッチボールしようか」

狭い体育館だ正論だな
でも、参加したくない。目立つっていうか
隠れられる場所があるなら
わざわざ参加したくない

主人公を含めた全員参加でドッチボールが始まる

私は隙を見て体育館の
舞台端の薄暗いスペースに向かった
ここならボールもこないし
第一誰にも見えない

舞台につづく短い階段に腰を下ろし
膝を抱え、ただじーっと騒がしい声を聞いていた


もう30分くらいたっただろうか

「はぁ」

おおきなため息をはく
そうすると体の力が抜けて
一気にリラックスできる

「そんなおおきなため息付いてると
幸せ逃げるよ」

舞台から声が聞こえたと思えば
夏成だった。