こっちに気がついたのか
笑顔で駆け寄ってくる

私は秋一ファンクラブらしき集団の
近くに行き紛れ込む

「来てくれたんだ」

「はい!とってもすてきでした」

笑顔で繰り返される会話を
少し離れたところで聞く
でも、私の後ろから

「ねぇあの子なんなの?」

「秋一様の何?」

「今日、食堂で一緒にご飯食べてたし」

ファンクラブによる妬みの声
あぁ、そうか
ありきたりなら、いじめも起きるのか
きっとひどくは無いだろうけど
少しかわいそうだなぁ

「行くよ」

そのかけ声を合図に
ファンクラブが動き出した
秋一の元へ駆け寄り
主人公を押しとばして
タオルや、ドリンクを笑顔で差し出す。

主人公は尻餅をついていた

「だいじょうぶ?」

手を差し出すと、
ありがとうっておしりをさすりながら
立ち上がった。

「帰ろっか」

「うん」

これから待ち受けることに
少し気を重くしながら家路についた。