それは6月くらいからの話

共学の私立校に通い初めて1年と少しがたった。
この学校にはイケメン4人がまとめてシーズンと呼ばれる男4人がいる。
登校するとキャーキャーもてはやされ、
体育になるとまた騒がれ、
休み時間になるといろんなクラスから
女の子がやってくる

もうなんて言うか典型的な少女マンガ

実にくだらない。


もともと、少女マンガをよく読むせいか、
ありきたりを見つけてしまう。
それはだいたいに当てはまるもので
だんだん少女マンガがつまらないと
思うようになってしまった。

この学校が少女マンガなら、
未来が見えてしまうようなもの。

そんなのなにがおもしろいのか。

そう思ってた。
だけど、よく考えた。
少女マンガをよく読むのは、好きだから。
なら、自分の周りで少女マンガ的なことが起こるのなら
今まで興味を持った、作家の描かない第三者の視点を
体験できるのなら、
私はこの物語の進行役になろうと思った


「は、初めまして 志紀可奈子です」


黒板の前に立つ緊張した女の子
二つくくりの可愛い女の子

きっと彼女が主人公。

なら私が物語を進めてみせる


「楽しくなってきた」

そう誰にも聞こえない声でつぶやいた。