もしかしたら、だから透真はさっきから目をこすっていたのかもしれない。




ひと通り騒いで、ついに透真から「落ち着け」命令が出て、ふうっと一息ついたとき。



「あっ」



わたしはひとつ、重要なことを思い出した。



「…今日、クラス発表だったね!」

「そーだよ」



そうだ、新クラス見るために学校に来たんだった。



春休みの最終日。
たしか集会があって、そのあとにクラスが張り出される、って話で。


春の眠気に勝てなかったわたしと透真は、集会にでないでここにいたんだ。


時計を見たら、もうすぐ集会が終わるかな、って時間。クラス発表はこのあと。


新学期は明日から。




…あの夢をこんな短時間でみてたのかぁ。




「…クラス、どうなるかな」

「あー、な」

「………」

「…同じだといいな」

「………」

「………」

「…いまの、王子さまの口説き文句みたいだね」

「やめろ」

「同じになりたいね!」

「……うん」