───メルヘンな、夢…




「わっわたしもだよ!」




さっきの夢が頭の中を駆けめぐる。

景色とか感覚とか、妙にリアルな夢だったな。



「あのねあのね! 透真が王子さまで、純ちゃんが魔女でね、心がラプンツェル! 塔の上にいて、純ちゃんと透真が交互に会いに来てくれてね、それで、」



興奮気味に話すわたしの物語を、うんうん、って透真はいつもみたいに頷きながら聞いてくれた。


怪しい月が浮かぶ星空を、特に鮮明に覚えてる。


わたしが話し終わるとまた目をこすりながら透真が言った。




「………マジか。俺も同じ夢。」




ゆっくり届いた夢と同じ王子さまの声に、またもう一盛り上がり。

…もちろん、こんなにテンション高くなるのはわたしだけだったけど。