「わたしって閉じ込められてるんだよね?」
何日目かの夕方。
もう月がでて、外が暗くて、森の動物たちの目が光って見えるころ。
今日も透真と一緒にいた。
「そうなんじゃねえの」
「誰に?」
「魔女に」
ニッコニコ笑った純ちゃんの顔を思い浮かべて、足の間に顔を埋める。
「やっぱそうなのかなあ…」
「ラプンツェルだからな」
「でも純ちゃんはなにも言ってこないよ。本当は他の誰かに閉じ込められてるんじゃないかな」
「は? たとえば誰」
周りの暗さで引き立った茶色の髪を月の明かりで煌めかせながら首を傾げる透真を見た。
…あ、空に
白い一等星たちが現れた
「…たとえば、透真」
月と星と、王子さまの眩しさに、目を細めて呟くと、透真が「…は」と小さく吐く。


