「君の純粋さ、僕は尊敬するよ」
僕とかキモいこと言ってんな。だけど、俺はその後にイチが言ったことは聞こえていなかった。
「……本当、ずりぃくらい純粋」
なぜこの言葉が聞こえなかったかって?んなの決まってんだろ。
「おっ、いたいた!」
心さんが俺達のいたテントに来ていたのだ。もう、驚きも何もビックリして目が点になった。そして、心さんが見ているのは……きっと俺。
「原田!」
だけど、心さんの後ろから現れたのは、俺の気持ちをぶち壊してしまう西川先輩の姿。
とりあえず、なんで先輩達が1年のテントへ?と困惑しているため、そそくさと2人の元へ駆け寄った。
「どーしたんすか」
「お前すげぇぞ!あんなに軽々と玉入れやがってー」
「あ、見てたんすか」
「当たり前だろ?西川も絶賛してたぞ!」
あー、そこで西川先輩の名前が出なければ最高だったんすけど。


