心さんに見られているかも、そう思えば思うほどやる気が出る。どんだけ好きなんだよって思うけど。
これが恋なんだろうなって実感する。
『終了!では今から数えていきましょうか!』
腰を下ろして玉数をカウントするアナウンスに耳を傾ける。
「ねぇ、原田くんどうしたの?」
「何が」
「イキナリやる気に満ちてさ。何かいいことあった?」
「別に。イチにアイス奢りたくないだけ」
澤本が声をかけてくるけど淡々と返す。終いにはイチの名前まで使っちまったけど、いいか。
『1位は赤組!』
お、マジで勝った。飛び跳ねる澤本をはじめ、同じチームの奴等も喜んでいる。
「やったね!原田くんのおかげ!」
そう言われると、自分の役目が見えたように思えて嬉しくなった。みんなとハイタッチを交わしてテントへ戻る。
「イキナリのやる気の原因はもちろんあの人?」
「そーだよ、悪いか」


