心さん、そろそろ俺にしませんか?




「そういえばな」


「ん?」


「さっき、西川先輩と心さんが体育館から出て行ったぞ」


「……!ま、マジ?」


「嘘だと思うなら行け。お菓子の相手は俺がするから~」


心さんにとっては邪魔が入るから嫌だろうけど、俺にとっちゃむちゃくちゃ嫌で仕方がない。


「……俺の分のお菓子」


「言われなくても食べるよ」


イチに太れ、と言い残して急いで体育館を後にした。辺りを見回すが、心さんらしき人は見当たらない。


……どこいるんだよ。外にもちらほら遊んでいる生徒がいるため、なかなか心さんの姿を見つけられない。


2人で抜け出して、ありえることは1つしかねぇだろ?


「告白……」


嫌だ。そんなの絶対に嫌だ。滴る汗を拭って、鍵がかかっている校舎を覗いたり、走り回る生徒達の顔をじぃっと見たりして探した。


すると、サッカーゴールの側に男女の姿があった。


…………あっ、きっとあれだ。