それでも、練習が始まると頭の中は剣道に集中していた。最近では、先輩達とミニゲームが出来るようになり、練習が楽しみになっていた。
「っ!やぁあ!」
「めぇーんっ!」
そして、ミニゲームで目に見えてわかる先輩との差に落ち込む。だけど、小さな変化を褒められて剣道の意欲がわく。その繰り返しで、夏休みは剣道に明け暮れていた。
……そして、恐れていた合宿到来。
「し……死ぬ」
合宿はハードスケジュールだった。朝はランニングに始まり、昼間は強化練習や他校との練試。休憩中の水分類を出すのは1年の担当で、休憩時間はほぼなく、夜は先輩達の衣類を洗濯してから眠りにつく。
考えていたよりも過酷。少し前まで中学で最上級生だったのが、高校になって下級生になるって結構大変だ。
「おい優生~まだ寝るなよ。ミーティングあるってよ」
「うそ、マジで?」


