「あっ、一番星」
「本当、ですね」
空にキラリと光る一番星に反応した心さんを隣に感じながら、ゆっくりと歩く。
『あたし達だけになっちゃったな』
みんなが帰った後、そう言った心さん。
『あの、イチに帰りは俺と帰るって言ったって……』
『え?何の話だ?そんな話はしてねーぞ?』
クソ、あんのやろ。簡単にイチにハメられた。
そのまま一緒に帰る流れになって、今に至るのだ。
「さっきの話なんだけどさ」
心さんが静かに口を開いた。
「森原が言ったことは嘘だけど、原田と話がしたかったのは本当だよ」
思わず、心さんを見た。
「……んな見んな」
心さんは俺と目が合うと、すぐに目をそらしてしまった。
ドキッ
そういうの、本当にやめてほしい。俺の心臓がドキドキして、変な期待をしてしまうから。
「あたしさ、看護師目指してるって言ったじゃんか?」
「はい」
「狙ってる大学さ、結構レベル高ぇんだ」
ため息とともに吐き出た言葉は、小さくて自信がないように聞こえた。


