「お前何寝ようとしてんだよ~しかも心さんに見とれながら」
「あ、俺寝てた?」
「目が白目向いてたよ」
イチと澤本が顔を見合わせて笑う。俺は急に恥ずかしくなって、すぐさまテスト勉強に取り組んだ。
あーもう。せっかく幸せに浸ってたのに。あれだな、弁当作りのために早起きしたから、眠いんだろうな。そんなことを考えながら大きなあくびをする。
「そういえば優生、聞いた?」
「何を」
「今日の帰り、心さんが一緒に帰りたいって」
「は!?」
イチの言葉を聞いて一気に覚醒した。
「詳しくは、今日の帰りに原田を借りていいかって聞かれたから、どうぞどうぞって言っといた」
いつの間にそんな会話を……ていうか、心さんからそんなこと言われるとは!何の用だろうか?
「ほら、これで勉強頑張れるな?」
当たり前だ。
寝ている場合じゃない。
背筋をシャキッと伸ばし、苦手科目の英語の教科書を手にするほど、勉強への意欲がわいてきた。
心さんと帰れるんだ。
心さんと……
「優生、顔っ」
イチに言われてハッとする。
クソッ、ニヤけんな俺!我慢だ我慢……。


