「おい澤本、俺に聞けよ」
イチが不機嫌そうに澤本に言う。おいおい、なんだよ、そのヤキモチ。お前こそ俺に言えねーだろうが。
「だって、森原くんに聞いても解けないでしょ?」
正論を述べた澤本の言葉によって、イチは一気に男らしさを失った。
「俺、ガリ勉になるわ!」
「ハイハイ」
しかし1分後、イチは何を思ったのかガリ勉宣言。今日1日もそれが実行出来ないことが分かった澤本は、素っ気なく返事をし、俺は先ほど言われた通り、澤本に勉強を教えることになった。
「分かりやすいね。原田くん、ありがとう」
数分後、問題が解けた澤本が嬉しそうに言った。その横にいた澤本の彼氏で俺の親友であるイチは……落ち込んでいた。
「おい、イチ」
「なんだよ、俺のライバル。永遠の敵だ!」
いや、意味分かんねーし。
「もーそんな顔しないでよ。森原くんのいつもの笑顔が見たいのに」
澤本の言葉に、少しだけ反応したイチ。
「分からないところがあるなら、あたし教えるから。だからほら、勉強して赤点免れようね~?」
気のせいかな?だんだん澤本の顔が怖くなっていったように思うのは。


