「いってぇ……」
首をひねりながらイチが呟く。そんなイチを見て、澤本は苦笑する。そりゃ、あんだけのプロレス技をかけられたら当然の痛みだ。自分の失態を反省するべきだな。
「ったく、お前は心さんと手を繋げたからいいけどさ~」
「ちょっ、おまっ」
「それ、あたしも思った!原田くんよかったね~」
イチだけでなく、澤本まで冷やかしに便乗する。
「お前ら、心さん達に聞こえたら……」
「離れてるから聞こえね~だろ?」
そう言って、心さん達がいる方へ視線を移すイチ。俺も続いてその方向を見た。
お昼ご飯(プロレス技も含め)の後、図書館に戻って勉強をすることになった俺達。心さんの近くで勉強を……という気持ちがあったものの、集中ができるわけがないことに気づき、また先輩達は受験生。ってことで、先輩達グループと俺達3人グループに分かれて、勉強をすることになった。
「残念そうだな、優生~」
イチのウザい茶々ももう慣れた。俺は無言でシャーペンを手に取り、問題集のページをめくる。残念だけど、受験勉強を邪魔するわけにはいかない。俺も勉強頑張んねーと。
「あっ、原田くん。ここ教えてくれる?」
澤本から言われ、教えようとすると……当然拗ねるのはコイツ。


