心さん、そろそろ俺にしませんか?




本当だ。俺、心さんと同じ日にちだ。やべぇ、こんな些細なことでも嬉しい。


「何かの縁だなっ」


親指を立ててグーサインをする心さん。その姿が勇ましく見えるけど、俺には可愛い要素のうちに入った。


「よし!日にちは確実に覚えた!8月ってのが曖昧になりそうだけど……」


「いいっす。日にちだけでも」


それだけでも、覚えてくれるだけで嬉しい。女子みたいだけど、飛び上がりたくなるくらいだ。


「おう、わかった!じゃ……」


「心さんっ」


これは伝えなきゃって思った。


「誕生日、おめでとうございます」


1ヶ月以上前だけど、心さんの大切な誕生日。お祝いの言葉を伝えたかった。


「へへ、ありがと!過ぎてから言われるのも悪くないなぁー」


ほら、またその笑顔。


俺にもその笑顔が向けられた。