心さん、そろそろ俺にしませんか?




そして飯を食い終わる頃に、心さん達がイスから立ち上がった。どうやら教室に戻るらしい。



「じゃあな、原田と森原!」



「はい!勉強頑張ってくださいね~」



心さんの言葉に、ニコニコと返事をするイチ。俺は返す言葉が見つからなくて、軽く会釈をしただけだった。



「あっ、原田くん!」



すると、心さんのグループの一人の先輩が俺のところへ来た。と思ったら、文化祭の時にお世話になったマコさんだった。何事かとイチも身を乗り出す。



「明日の土曜日、心や他の友達と朝から野花図書館で勉強するんだけど、心にお弁当でも差し入れてみたら?」



「え?マジすか?」



「原田くんが健気に心にアタックしてるのを見るとさ、もう応援したくてたまんないのよ~!だから、これくらいは協力させて!」



そう言ってウインクをするマコさん。



「おい、優生っ。いいチャンスじゃねぇかよ!明日って珍しく部活休みじゃんか!」



言われてみれば……そうだったかも。監督から連絡があって、土曜日は部活なしで日曜日は1日練になったんだ。



「お言葉に甘えて、明日……」



こうして、心さんへの差し入れが決定した。