心さん、そろそろ俺にしませんか?




文化祭は生徒や外部のお客さんでり上がっているけど、照明係をしているから、なかなかゆっくりする暇がない。


「疲れますね」


10分間の休憩時間になり、次のプログラムを確認しながら先輩に話しかけた。


「ほんっとだよ。同じライトをあてるだけなら、どんだけ楽なことか」


先輩の言葉に苦笑する俺。


「えーっと、次は書道部か」


「それって、チア部も出るんすよね?」


「お?心の出番は把握済みってわけねー」


ニヤリと笑う先輩。あぁ、もう俺のアホ。自分から墓穴掘るようなこと言うなよ。


「なんか原田くん見てると応援したくなるわ。大丈夫、照明は私だから、じいーっくりと心のこと見てていいよ!」


「あ、あざっす」


心さんのことで冷やかされんのは慣れた。でも、こうやって気を利かせてくれる人もいるから、嬉しくなる。




【只今より、プログラム6番……】


そして書道部の出番になった。俺は、青のТシャツに白のズボンを履いた心さんの姿に釘付けだった。


やっべぇ。俺の好きなあの笑顔で、書道部を盛り上げている心さん。


「可愛い……」


柵に体重をかけて、届くはずのない言葉をポツリと呟いた。