心さん、そろそろ俺にしませんか?




「いらっしゃいませー」


そして、昼休憩を終えた俺はた再び模擬店の調理担当として働いていた。でも、今の俺の頭の中は、心さんのチア姿が見れないってことでいっぱいだった。


一生懸命やって、誰よりも大きな声でいつもの笑顔で観客を魅了すんだろうな。あー焼きそば作るより見に行きてぇ。


「あーもー焼きそば臭ぇ」


すると、接客をしていたイチが肩を落としながら裏方に姿を見せた。俺の予想は当たり、イチは澤本から焼きそばの刑をくらっていた。


澤本は、トレーに入った焼きそばをイチに投げただけらしい。だけど、それがまた見事にイチの顔面にヒットして、イチは焼きそばまみれになったのだ。


「も~ヤキモチ妬いてくれんのは嬉しいけど、ありゃないぜ!」


「お前の宣伝の仕方が悪い」


「でも、あれくらいしないと客来ないじゃん?」


「やり方ってもんがあんだろ」


ジャージ姿になっているイチは拗ねながら、渋々接客へ戻っていった。……と思ったら、イチが逆戻りしてきた。


「あ!さっき、お客さんが話してたけど」


「あ?」


「チア部、すっげ~可愛かったって」


な、なんだと?