心さん、そろそろ俺にしませんか?




みんなの分の皿を集めて、皿を置く場所へと足を運ぶ。まるで、こき使われるシンデレラのよう……って笑えるし。


1人で苦笑していると、隣に人気(ひとけ)を感じた。何気なく見てみると、


「お前可哀想だなー?」


心さんがいた。驚きすぎて皿を持つ手から力が抜けて、心臓が飛び出そうになった。


「あ、聞いてたんすか?」


バクバクする心臓を抑えて、平然を装って心さんに言う俺。


「まーな。大丈夫か?持つぞ?」


「いえ、大丈夫っす」


いくら問題を勘で解く俺でも、心さんに持たせるわけがない。ましては好きな女だし。


「アイツ等は友達なんだよな?」


「え?あ、はい」


「本当だな?」


じいっと見てくる心さん。


あの、そんなに見るのやめてください。心臓が持ちません。