心さん、そろそろ俺にしませんか?




「お~?その様子じゃその心先輩を好きになったのか?」


グループ内にいた1人がそいつへ聞いた。俺も知りたいし、焼きそばを食べつつも耳傾けた。


頼む。これ以上ライバルが増えませんように。


「俺?その先輩は面白いと思ったけど、心先輩よりも、同じテーブルにいたウェーブのかかった先輩の方がいい!」


デレデレしながら、心さん達の方のテーブルを見るそいつ。ウェーブ?そんな人いたか?……あぁ、いるっちゃいるな。


「お!あの先輩可愛い!」


「だろ~?俺はチェックしていたのさ!」


いや、そんなにどや顔されてもな。


─────でも、よかった。心さんじゃなくて安心した。心さんの魅力に気づかなくてよかった。


「ホッとしてるな、優生」


「っせーよ」


イチがニヤッとして俺を見る。コイツはケロッとしてそうで、人の反応を見過ぎだから困る。本当、油断も隙もねぇ。