「あのね」
「早くハチマキ交換しろよ。そんで写真撮んだろ」
イチの態度は冷たく見えるけど、確実に妬いてるな。
「う、うん。分かった」
そう言った澤本は、赤組のハチマキをポケットから出して、イチへ渡した。
「……澤本、お前渡す相手が」
「あたしが交換したいのは、森原くんだよ」
ほらな、澤本はお前に興味があっただろ。イチはいまだに状況を把握していない様子だ。
「確かに、原田くんのことが好きだったけど、森原くんが相談にのってくれたり……告白してくれたりしてから、なんか意識しちゃって」
「マジかよ」
「マジだから!もう、恥ずかしいから早くハチマキ交換してよ。そして、原田くんは写真お願いしていい?」
「おう」
されるがままにハチマキを交換したイチ。そして、2人が交換したハチマキを巻いた後、俺はシャッターを切った。
はにかむ澤本と、照れくさそうに澤本の隣でピースサインをするイチ。
「じゃ、俺は残りの片付け手伝いに行くから。じゃあな、イチと澤本」
そう言って、2人に背を向けて再び校庭に向かった俺だった。


