この声は、
「おい、心さんじゃん」
みんなと盛り上がっていたイチが、声のトーンを落として言った。そう、俺達の近くのテーブルに心さんや数人の先輩達がいたのだ。
……嘘だろ、マジで?やべー、今日学食でよかった。
「あたしダイエット中だから、このパンだけ食べるの」
「えー足りないよ。やっぱり爆弾おにぎり2つは必需しておかずと食うだろ?」
「心いっつもそればっかり~!さすが大食い女!」
キャハハと笑う小食な先輩達に、勉強するには栄養が必要!と言い張る心さん。
心さん大食いなのか。でも、心さんらしくていいな。自然と顔が緩む。
「おぉっと!優生がニヤけてる~」
「焼きそばにナイスバディなオネェサンでもいたか!?」
そんな俺を見て、バカなことを言う奴等。俺の隣で腹を抱えて笑うイチ。この……クソッ。
「ちげーよ、バカ」
「うわぁ~、俺も焼きそば食えばよかった!オネェサンに会いたかった!!」
だから、そんなのいねぇって。


