心さん、そろそろ俺にしませんか?




『こんなもんだ。悩んだり困ったことがあったら、いつでも相談しろよ?あたしが聞いてやるからな!』



分かってた。心さんがこういうことを言うことは、大体想像出来てたから……そんなに落ち込まない。そんなに……な。



「……はい。心さんも、進路のことや他にも諸々、愚痴りたい時には聞きますよ」



『マジで?そりゃ嬉しい!いっつも西川にばっかり言ってて、飽きられてたんだよー』



出た。西川先輩の名前。



「西川先輩ばっかりじゃなくて……たまには、俺のことも頼ってください」



まだ解けない緊張の中で、精一杯の思いを伝えた。



『うん、そーする!ありがとうなっ』



電話が出来ることは嬉しいけど、やっぱり表情が見られないのは残念だな。だって、今……心さんは絶対笑ってるから。



「あと、西川先輩とは最近どうですか?」



電話越しだから、いつもより聞けるのかもしれない。俺は心さんに、西川先輩とのことを聞いていた。



『前と何も変わってねーよ。アイツがあたしを友達として見てることも、あたしの気持ちも』