そして、手に握られている二つ折の白い紙を見て笑みがこぼれた俺は、心さんにメールをすることに胸を弾ませながら家路へ向かった。
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「ふぅっ……」
時刻、20時5分前。ベッド上で正座をして、ケータイと睨めっこしている男子高校生、1名。
左手には、心さんからもらった白い紙。心さんの連絡先が載っている白い紙。もらったままで、中身は確認していない。
「とりあえず……見よう」
おそるおそる白い紙を開く。
「…………え」
そこには、心さんのメアド……ではなく、電話番号が書いてあった。それも、家の電話番号。
あれ、俺……メアドって言わなかったっけ?ていうか待てよ。となると、心さんに電話することになるじゃん?心さんの声が聞けることになるじゃん!?
……いや、その前にご家族が電話に出るかも?
「嘘だろー……」
文字を伝えるだけでも今みたいにアガってんのに、電話とか……やべぇよ。それに家電だよ?家族の人が出たら余計に恥ずかしい。


