「俺のことを好いてくれってわけじゃない。だけど、せっかく同じ部活で仲間として過ごしてきたんだ。少なくとも俺の中では、お前らは大事な仲間だ」
ふと、部活の練習で、俺達1・2年が佐原先輩から、指導をしてもらえたことがあったのを思い出した。
1人1人の弱点や伸ばせるところを見てくれて、アドバイスをしてもらったんだ。そりゃ、めちゃくちゃ怖かったんだけどな。
それでも、佐原先輩は真剣な顔をして指導をしてくれた。おかげで、個人の力が伸びだしたのも事実だった。
「俺のこと怖いって思ってていい。だけどな、お前らも大人になんだ。思ってることを全部表に出しちゃいけない時が来んだよ」
佐原先輩が真剣な眼差しで、山手と垣根を見ていた。
「原田を見てみろ。俺にビビってんのに、前より逃げなくなったんだぞ。な?」
イキナリ話をふられた俺。って、え!?ビビってんのバレバレ?
「お、俺そんなにビビってました?」
「あからさま過ぎるから。マジ笑いもんだ」
クスリと笑った佐原先輩。すると、山手と垣根からも小さな笑みがこぼれた。
俺をネタにするなんて、佐原先輩め……。


