心さん、そろそろ俺にしませんか?




バカ正直でいい奴等だから、俺に文句を言いながらも学食を奢ってくれたんだ。たとえ、答えが嘘だとしても。


「……悪ぃな」


「もっと謝って!」


「お前等しっかり自分で解けよ」


誰が二度も三度も謝るか。心では悪いって思ってるけど、何度も言うかよ。


「それでさ~!1組の吉田が~」


そして気がつけば別の話題へ。少し前まで俺に嫌悪感わ出していた奴等だったが、今はもう別の話題で一緒に盛り上がっている。


悪いのは俺だけど、笑えてくる。こういうのって、嫌いじゃないから。


いつもは弁当で教室か外で食べる。だけど、いつもと違う場所で学食だから、そう思えるのかもな。


そんなことを思いながら、半分に減っている焼きそばを食べている時だった。


「ほら、ここ空いてるじゃん!ここにしよっ」


その声を聞いて、俺は静止してしまった。