心さん、そろそろ俺にしませんか?




「何があったんだ~イチ~!」


そんなイチに詰め寄る陸達。イチは渋々白状することに。


「へっへ~ん!メアドゲットした!」


ケータイを天井にかざして報告をしたイチ。本当に進展?らしきことがあったとは、俺も驚きだ。


「やったな!お前!」


そう言って喜ぶ俺達。周りの生徒もざわついているため、俺達の歓喜が目立っている様子はない。


「まぁ~な」


でも、喜んでいるはずのイチの横顔が少し寂しく見えたのは、気のせいじゃない。そして、この理由を数日後知ることになる。


「優生!ちょっと中庭行こうぜ!」


数日後の昼休み。弁当を食い終わった後、イチが肩をたたいてそう言った。中庭?何しに行くのかと不思議に思いながらも、イチのあとをついて行った。


「あ~もうすぐ夏休み来るなぁ!」


「そーだな」


「あっ、その前に試合があるか!」


最初は気にしてなかった。だけど、少しずつイチの様子がおかしいことに気付き始めた。


「夏といえばお祭りか~遊べるかな~!」


「イチ?」


1人でベラベラと話を続けるイチ。その肩に手をかけると、イチはすぐさま振り払った。