心さん、そろそろ俺にしませんか?




キャプテン就任が決まってからの部活の日々は、部員を意識してするようになった俺。キャプテンの掛け声も部員の態度も、初めてじっくり見た気がする。


キャプテンの役目である終始の号令や、部活のメニュー決め等も少しずつしていくようになった。


そして同時進行で、勉強の方はテストの波が押し寄せていた。部活疲れで寝ることが多々あり、意外と真面目に授業を受けている陸からノートを借りて板書している。


「優生も寝てるって意外~」


そして今も、同じ。自習という素晴らしい時間を活用中だ。前の席に座った陸が笑いながら俺を見る。陸も自習中らしく、俺達のクラスに遊びに来やがった。


「イチは見たまんまだけどな?」


「おい!陸、その言葉覚えとけよ~!」


俺の隣で俺と同じようにノートを写しているイチが、恨めしそうに陸を睨んだ。


「で、お前らラブの方どうなわけ?何か進展ある?」


いつの間にか良平と仁も来ていて、目を輝かせて俺達を見ていた。


「特になし。はい、イチどうぞ」


「優生~、俺に話を振るな!」


「お前あんじゃねーのかよ」


「なっ、なくはないけど」


と、たじたじするイチ。