「っひゃー!今日は暑いな!」


朝、どこからか俺の好きな陽気な声が聞こえてくる。その声を聞くと、つい自然と頬が緩んでしまう。


「心さんだなっ」


おはよ!と肩をたたいてそう言ったイチ。


「……うっせ」


口元を隠しながら早歩きでイチの前から逃げる俺。それでも逃がすまいと追いかけてくるイチ。


「おいおい、もう分かってんだから隠さなくてもいいじゃんかよ~」


「遅刻したくねぇから急いでるだけ」


「まだ時間余裕だけど?」


コイツ、うぜっ。


「ほら~、まだ心さんの声聞いていたいんだろ?」


「…………」