心さん、そろそろ俺にしませんか?




そうしている間にも部員達は集合して、何の話かとじぃっと俺を見る。俺は監督を追うことをやめ、大きく息を吸って平常心を取り戻した後に口を開いた。


「その、次期キャプテンを務めさせていただくことになりました……原田です」


「固っ!」


この短時間で考えた挨拶を、先輩達や同輩は即ツッこんだ。と思ったら、ゲラゲラと笑い出していた。


「よっ!キャプテンこれから頼むよ~!」


「ついにブチもキャプテン終わりか!」


「世代交代っすかね~!」


お前がキャプテンかよとか、大丈夫かよとか批判の目を浴びることを想像していたけど、何だこの雰囲気。


「よかったな、今のところ受け入れてもらえてるみたいじゃねーかよ!」


すると、キャプテンが隣にきてそう言った。俺は小さく頷く。


「まっ、しばらくはまだ俺の役目だけどな?キャプテンの仕事も教えていくし、しっかりしろよ!」


「はい」


「よし!みんな!副キャプテンとプチサポーターも紹介するぞ!」


プチサポーターという聞き慣れない言葉を聞き、部員一同は静まった。それを合図に、白橋とイチが登場した。