そして、家に帰って風呂に入る時も、飯を食う時も布団に入ってからも、ずっとキャプテンになることについて考えていた。
「おい、優生具合が悪いんじゃないのか?」
「何かに悩んでるだけでしょ?悩ませてあげましょ~」
もちろん、この親父と母さんの会話も耳に入らぬままで。
─────☆
「優生~!早く起きなさい!もう遅刻よ!」
母さんの声を聞いて、ガバッと起きあがった俺。今何時だよ。そう思いながら、ケータイを確認すると、
「うっそ!やばっ」
時刻は8時過ぎを示していた。飛び起きて制服に着替えて、顔を洗って玄関へ直行。
「ほらほら、お弁当!」
ひょいっと投げられた弁当箱。弁当が崩れるかもっていう心配はないのかよ、母さん。
「あとほら!おにぎりよ!」
靴を履き替えて振り向いた時に顔面に飛んできた特大おにぎり。もうツッこむ気も失せ、おにぎりを手に家を出て、チャリに飛び乗って学校へ向かった。
絶対間に合わねぇ!昨日3時まで目が覚めてたせいだ。自業自得ってのは分かってる。
「ったく、母さん起こせよ」
だけど、周りを責めてしまうものだ。


