「……んなの知らねーよ」
「でもよぉ、お前その心さんって人にさ、今までと別人のようにアタックしてるよな?」
俺の呆れた言葉を救いつつ、陸が口を挟む。そうそう、今日は陸達も一緒に飯を食っている。
「んーまぁな」
「なんでまた急に?」
続けて良平と仁も尋ねてきた。話題を持ち出した当の本人のイチは、暢気に飯を食い始めていた。
「3月に告ってフラれたんだよ。でも諦めらんないって宣言して、アタックしまくってる今に至ってる」
「お前すごい趣味だな~?」
「あ?陸、心さんをバカにしてんのか?」
「違うけど、なんていうの?気さくで話しやすいけど、タメだったら普通に男友達感覚になりそうだなって思ってさ」
「心さんは女だ。めっちゃ可愛いし、可愛いし……可愛いし」
「こりゃ、相当な心さん中毒だな」
良平が呆れながらコーラを飲む。だって、それしか思い浮かばねぇんだよ。文句あっかよ。
「でも、心さんは西川先輩が好きなんだろ?」
「お前、大丈夫?振り向かせられんのかよ」
心配そうに俺のことを見る陸と仁。


