心さん、そろそろ俺にしませんか?




「俺、これからもアタックし続けます」


「なっ……」


「迷惑だったら突き放してください。ウザかったら無視してください」


そんなことを心さんがしないと分かっていても、口は動いてしまう。


「でも、もし西川先輩のことで辛くなったり、泣きたくなったりしたら、いつでも俺のところへ来てください」


もう、どうにでもなれという気持ちだった。心さんの笑顔のためなら、利用されてもいいって思えたんだ。


「……ふざけんな。お前、バカだろ!?」


「バカです。だから、心さんのことが好きなんです」


「あっ、あたしはお前を頼らないからなっ。西川のことしか頭にないんだからなっ!」


「分かってますって」


「あー、もうっ。き、教室に帰る!」


そして顔を赤くしながら、階段を駆け上がっていった心さん。


「俺……どうしたんだよ」


いくらなんでも、ストレート過ぎたかな?あんなに想いを伝えるなんて。


幸い、踊り場には生徒が来なかったからいいけど、誰かいたら絶対に冷やかされたな。


「……どうか、嫌われていませんように」


そう思いながら、教室へと足を進めた。