心さん、そろそろ俺にしませんか?




「吉野、飲み物買ってくるからなー」


「ごちになります!」


「こんのやろ……っ」


どうやら負けたのは西川先輩らしい。今日の分のジュースなんだよ!と舌を出して俺を見た心さん。


そして、西川先輩がジュースを買いに出た時、


「なぁ原田、あたしの決意覚えてるか?」


心さんが聞いてきた。忘れるわけがない。心さんが……西川先輩に想いを伝えること。


「今日、伝えようと思って!」


驚いて心さんの目を見た。近くにいたイチも予想外のことで驚いている様子。


「やっぱり友達は嫌だからさ!」


「そう、なんすか」


「おう!今から頑張ってくるからな!」


「あ、は、はい」


どうしよう、何も言えない。何度も息を整えて告白に備えている心さんを見れない。


「吉野ー、買ってきたぞ!」


そして西川先輩が戻ってきたから、心さんへ投げられたスポーツドリンク。


「原田達も飲めよ!ほら、ココに置いておくからなー」


西川先輩は俺とイチにも買ってくれていた。断ることも出来ず、ありがとうございますと返す。


「よし、じゃあ帰るとするか!」