「俺とデートしよ~?」
は?
「イチ、俺は男だ。そして男には興味が……」
「バ~カ。マジにとらえんなって。明日休みだから、予定なかったら遊ぼうぜ!って話だよ」
「なんだ、そういうことかよ」
「もしかして、恋愛としてのデートの方がよかった?」
「アホか」
─────☆
「…………で、ココなわけ?」
「おう!久しぶりでいいじゃん」
次の日の午後。イチとチャリで訪れた場所は……ゲーセンならぬバッティングセンター。中3以来かも。
「やっぱり男の憧れだよな、野球って」
そう言って、機械に金を入れるイチ。久しぶりだから、手順を忘れていた俺も慌てて真似した。
「うっし!打つぞ~」
イチのやつ、何かあったな。直感でそう思った。ていうか、コイツがココに誘う時点で何かあったってことじゃね?
バンッ
そんなのことを考えているうちに、ボールが俺の目の前を通過していった。
「ボーッとしてると死ぬぞ~!」
隣にいるイチが叫ぶ。俺はバットを構えて、飛んでくるボールを無我夢中で打った。


