心さん、そろそろ俺にしませんか?




「気合い入れていくぞー!」


先輩達が卒業した余韻を残すことなく、学校生活や部活は過ぎていった。気のせいか、キャプテンから熱気を感じられるのは気のせいだろうか?


「チア部の部長と付き合うことになったらしいよ」


「だからあんなに張り切ってんのかー」


コソコソと交わされる会話に耳を傾けた。なるほど、キャプテンにも春が来たのか。


「よし!休憩だ!」


あっという間に休憩時間。俺はそそくさといつもの場所へ向かった。


「あれ~?今日はチア部はしてねぇのか~」


毎度のごとくついてくるイチ。いちいち声に出して言わなくてもいいっつーの。


「困ったな。いつもの癒しの源がいなくて」


「お前うるさい」


「でもお前のライバルの西川先輩はいるぞ」


そう言って、サッカー部を指さすイチ。おい、余計やめろって。


FWなのか、先頭を走ってボールを操っている。その姿がまた軽やかで、見ている側に不思議な感覚を起こさせる。って、何研究してんだよ、俺。


「優生~明日日曜じゃんか~?」


「そうだな」


「部活休みじゃんか~?」


「だからなんだよ」