心さん、そろそろ俺にしませんか?




「俺は、誰かさんと違って、心さんのを食う前に食ったからな~」


「軽く侮辱してるよな、心さんを」


してね~よ!と言いながら、自分の席に戻っていったイチ。ちょうどチャイムが鳴った。


心さんと西川先輩がデート(だと思われる)。でも、負けねぇとか言ってたってことは、何か勝負事とか?


何にしても、2人が一緒に出掛けることは間違いない。聞くにしても……まるでストーカーみたいになるし。


でも、知りたいんだよ。好きな人のこと。他の奴とどこに行くか。……これって、ストーカー初期段階?


─────☆


それから、バレンタインの影響でちらほらとカップルも成立し、だれが付き合ったの振られたのだと噂が流れつつも、その話題も薄れていった頃。


「卒業生、入場!」


3月に入り、卒業式の日になった。部活の先輩とは、少ししか一緒に部活が出来なかったけど、2年の差をすごく実感して学ばされた。


「みんな頑張れよ!」


ちょくちょく顔を出していた先輩達。これからはもう頻繁に会うことは出来ないと思うと、少し寂しくなった。