「気になるね~。ホワイトデーに何があるのやら~」
後ろからイチの声。
「どこか出かけるんじゃねぇのか」
「お、拗ねてんな~」
当たり前だ。2人で……どこか行くってことだろ。デートみたいなもんじゃん。
「お前も誘えば?チョコのお返しにデートしましょうって」
「先約がいるからって断られるだろ」
なんてことを話していたら、
「原田くん、森原くんっ」
手を振りながら寄ってきた澤本。俺は一瞬にして、やべぇっと思いながらチラッとイチを見た。イチはよぉ!と澤本に返している。
「マフィンどうだった~?」
ほら、やっぱり。でも実は俺……まだ食ってねぇ。なぜなら、心さんのチョコに懲りて、寝てしまったから。
「美味かったぞ!なっ、優生っ」
「お、おう。サンキューな」
「よかった~。また作ったら食べてね♪」
ニコッと笑った澤本。俺達は頷くと、澤本は女子に呼ばれてそっちへ足を運んだ。
「お前、まだ食ってねぇんだろ?」
すると、イチから飛んできた言葉。ゆっくりイチを見ると、図星だろ?とでもいう顔をされた。


