心さん、そろそろ俺にしませんか?




「マフィンなの。昨日、森原くんには聞いたの!でも、原田くんはマフィン好きかわからなくて、聞いてもらったんだけど……食べられる?」


あぁ、イチのメールの内容はこのことだったのか。今さらながら納得した。


「おう、嫌いじゃねぇし」


「よかった~。お腹壊したらごめんね!」


そう言って、手を振りながら自分の席へ戻っていった澤本だった。


「これって、俺達に……だよな?」


「おう。澤本がくれたぞ」


もらった袋をまじまじと見る。今までももらったことはあるけど、やっぱり嬉しいもんだな。


「女子ってすげぇな……って、どうした?」


イチに話しかけたものの、イチの顔色が曇っているように見えた。どうした?


「忘れてた!今日、日直だ!」


やべぇ!と走り出したイチ。おい、バレンタインのことで浮かれ過ぎだろ。俺はから笑いをして、澤本がくれたマフィンを鞄へしまった。


西川先輩……もう心さんからもらったのかな。羨ましい、ほんと。心さんからもらえるなんて。